上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)とは
上部消化管内視鏡検査とは一般的に胃カメラと呼ばれているものです。
チューブ(スコープ)の先端には小型CCDカメラが搭載されており、これを口か鼻から挿入していきます。
モニタで食道、胃、十二指腸の内壁の様子を観察していきます。
観察時に病変が疑われ病理組織検査が必要であれば、鉗子を用いて一部を採取して顕微鏡で調べます。
組織の結果はおおよそ2週間後に判明します。
検査時間は、個人差はありますが観察のみであれば5〜10分ほどで終了します。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を受けた方がよいとされる方
- 胃が痛い
- 胸焼け、胃の不快感、上腹部が痛む
- 吐き気や嘔吐、貧血が起こる
- 喉や胸につかえた感じがある
- 体重が急激に減った
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍になったことがある
- バリウムによる胃の検診で異常を指摘された
- 食道がん、胃がんを治療したことがある など
上部消化管内視鏡検査で発見が可能な病気
- 逆流性食道炎
- 食道カンジダ
- 食道ポリープ
- バレット食道
- 食道がん
- 急性胃炎
- 慢性胃炎
- 胃潰瘍
- 胃ポリープ
- 胃がん
- 十二指腸炎
- 十二指腸ポリープ
- 十二指腸潰瘍など
経口にも経鼻にも対応します
上部消化管内視鏡検査には、口から内視鏡を挿入するタイプ(経口内視鏡)と鼻から挿入するタイプ(経鼻内視鏡)の2つの種類がありますが、当院はどちらにも対応しています。
それぞれの特徴は次の通りです。
経口内視鏡とは
経口内視鏡は口から挿入します。利点は口からの挿入ですので、経鼻のようにスコープが通らないということがなく、咽頭麻酔も簡便で短いことです。欠点は口から挿入することで舌根にスコープが触れて、嘔吐反射(えずく)が起きることがあります。それを軽減するために鎮静剤を使用します。鎮静剤を使用すると、検査中は意識がウトウトした状態になるので苦痛はほとんど感じません。
経鼻内視鏡とは
どちらか通りの良い方の鼻の穴を選んで内視鏡を挿入していきます。利点は鼻から挿入していくことで舌根にスコープが触れにくいため、検査中に嘔吐反射が少なく、経口内視鏡で嘔吐反射が強い方にお勧めします。欠点は鼻腔の麻酔に時間がかかること、その際に鼻にチューブを挿入されることです。また鼻腔が狭い場合はスコープが挿入できなかったり、鼻出血が起きたりすることがあります。先天的に鼻腔が狭い方、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎など鼻の疾患がある方、鼻の違和感に馴染めない場合は、経口内視鏡による検査をお勧めします。
鎮静剤を使用するかどうかはご希望とリスクとを勘案して医師・看護師と話し合いの上決定します。
上部消化管内視鏡検査の注意点
上部消化管内視鏡検査を受けられることが決まったら、日時を予約していただき、感染症の有無などを確認するための血液検査を行います。さらに医師・看護師から、検査の注意点などをご説明するとともに、ご理解いただけましたら同意書へのサインをお願いしております。普段お薬を飲まれている方は事前に必ずお申し出ください。お薬手帳のご持参をお勧めします。
同意書はこちら検査前の注意点について
検査前日と当日の注意点に関しては、以下のような内容をご説明します。
検査前日
- 前日の夕食は、軽めに済ませるようにしてください(遅くとも午後8時まで)。
- 飲酒は控えてください。
- 水・お茶は飲んでも問題ありません。
- 普段飲まれている薬は飲んでください。
検査当日
- 高血圧、心臓病、けいれんの薬は起床後すぐに水で服用してください。
- 喫煙はしないでください。
- 口紅はしないでください。
- ゆったりした服装でご来院ください。
- 義歯、眼鏡を外していただきます。
- 検査終了まで飲食はしないでください。
上部消化管内視鏡検査時の流れ
- 1.消泡剤を飲む
- 胃内の泡を除去する消泡剤を服用します。
- 2.麻酔を行います
- 点滴をします。
経口内視鏡の場合は、咽頭麻酔を行います。経鼻内視鏡の場合は、両鼻腔に血管収縮剤、麻酔剤を注入します。
通りの良さそうな側の鼻腔に麻酔剤の付着したチューブを挿入します。 - 3.検査開始(内視鏡挿入)
- 検査時は左側を下にしてベッドで横になります。鎮静剤を点滴ルートから注射します。
- 4.食道、胃、十二指腸を観察
- 食道、胃、十二指腸の内腔を観察します。医師が必要と判断すれば病変が疑われる組織を一部採取します。
また検査中、口内に唾液が溜まりますが、飲み込まずに口の横から流し出してください。 - 5.検査終了
- 観察を一通り終えたら検査は終了です。検査時間は個人差がありますが、観察のみでは5〜10分程度です。
検査後の注意点について
内視鏡検査が終了した後もいくつか注意点があります。
- 経鼻内視鏡検査を受けた後は、鼻を強くかまないでください。
- 検査後、1時間程度は飲食をしないでください。
- 組織検査を行った方は、お食事は2時間以上経過してからにしてください。
- 検査当日は、飲酒、香辛料などの刺激物、食物線維は控え、消化の良いものを召し上がるようにしてください。
- 検査当日は、ご自身による車、バイク、自転車などの運転はしないでください。
- 胃カメラ施行時に胃に空気を入れて膨らませるので、検査後はお腹が張りますが、そのうち楽になりますので、心配する必要はありません。